第三話  カップラーメンって意外と保温性高くてなめてかかると舌火傷するんだよね…




ジリリリリリリリリリ かち
「あ゛〜……もう朝かよ…」
午前3時ジャスト。
他の奴に聞くとかなり早いらしいが、家では昔からこの時間に起こされていたので特に早いとは思わない。
…昨日秋と夜酒飲んでたせいか、頭が痛い。
「まだ眠い…」
「!?」
自分とは違う声が聞こえた。

ぎゅう

何かに横から抱きしめられた気が…。
「ぎやぁあああああああああああああああ!」
「なぁに?なんかいたのぉ?」
「な、何でお前が同じベットで寝てるんだ!?」
オレの隣にいたのは秋だった。
「今何時?何だまだ3時じゃん…平日でこんな早起きさん?てか夜じゃん。まだかなり寝れる…」
「お前相変わらず朝弱いな。…てか寝るな!!!!」

べしゃ

秋をベットから転がり落とすと見事につぶれた音がした。
が、
「…さみぃ」

もぞもぞ

秋は何事も無かった様にベットに戻り布団を被る。
「まおちゃん寒い〜」

ぎゅう

寝ぼけ眼のまま懲りずに引っ付いてくる秋。
その時、オレの中で何かが弾けた!?
「いい加減起きろ!!!!」
「ぐはっ」


…10分後
「そんなに怒ること無いじゃな〜い?」
「あぁ?」
アレから何十発殴ってようやくここまでで覚醒した秋。
今はオレの朝食を作ると言っていた。そんなことしないでさっさと帰って欲しいんだが…。
「何でお前と一緒に寝なきゃなんねぇんだよ!」
「寒かったんだよ〜!しょうがなくな〜い?」
そう言いながら冷蔵庫を開けていた。
「……まおちゃん。今俺の目の前に地獄絵図が広がってんだけど?」
「何だ?」
「だ〜か〜ら〜、何でわさびしか入ってないんだ!!!!」
「普通だろ?」
「それは、まおちゃんだけね。…うわ、なんで冷凍庫にまで入ってんの〜。実家がわさびの農家だからっていくらなんでもおかしいよ?」
確かにオレの故郷はわさびの名産地だ。
「この前、トラックで送ってきたんだよ。やんねーぞ。」
「いらねーよ。うわ…わさび以外ないじゃん?何作れってんだよ…もういいや、近くの24時間営業のスーパー行ってくるよ」
「あぁ…」


■


その頃の金成保家。
「あれ?兄貴今日かなり早いね」
朝…どっちかというと夜、居間を歩いていると兄貴に会った。
「あぁ…いきなり目が覚めてな、何故か悪寒がした…」
「へ〜?じゃあ何も無いなら一緒にゲームやってちょうだい?」
「いいぞ」
ゲームをしながら食べられるお菓子や飲み物を適当に見繕い、ゲームのある僕の部屋に行く。
「結局父さん帰ってこなかったね〜」
「母さんに追い出されたんだからしょうがないだろ…」
「まぁそうだけど…父さんなんだかんだ言って母さんのいない間に帰って風呂入りに来るじゃん?『俺は風呂がないと死ぬ〜』とか言って」
「じゃあ、死ね。って感じだな…」
本人はただニガテなだけだといっているけど…ニガテってだけでここまでくるのかなぁ…。
「そういえば、兄貴のクラスって文化祭何やるの?」
「文化祭?」
「忘れてるかもしれないけど、文化祭明後日だよ?」
「…あぁ」
兄貴、まじボケ。
「確かうちのクラスは…カフェだったな。」
「定番の?」
「お化け屋敷と多数決で対決して、カフェが勝った。3票差で…」
これまた定番のお化け屋敷。そして結構接戦だったらしい。
「お前は?」
「あ〜。高校はクラスで店出せるけど、中学は展示までなんだよ。店はクラブ毎に屋台で僕ジャンケンで勝ったから何も無いんだ〜」
「相変わらず運良いなお前は…じゃあ、俺のクラス来てみるか?女子から頼まれたんだよ。『弟君来られるなら衣装準備するから』ってさ。」
「行く!!」
「それなら、ユウも誘っとけ」
「?…何で?」
「サナが妹の事かなり気にしてたから…それと、できるだけ人集めろとも言われたから」
「そっか、最近またユウ調子悪いから…うん!言っとくよ!」


■


「まったく…まおちゃんのわさび好きも何とかして欲しいよな〜」
わさびの館から一旦離れ、スーパーの帰り。
もうそろそろ太陽が昇るのだろうが、まだ辺りは暗い。
「…そういえば、昔まおちゃんチューブでそのままわさび食ってたような………」
というより…わさびをトラック…全部食べるのか?
止めよう、気持ち悪くなってきた。なんだかんだ考えているうちにドアの前まで来ていた。

がちゃ

「ただいま〜」
「…何だもう帰ってきたのか。もう一生来なくて良かったのによ」
「開口一番にそれ?」
まおちゃんの毒舌にも悲しい事にもう慣れている。
「さっさと作れ」
「はいはい。さっさと作りますよ」
きりが無いので料理に取り掛かる。
「そういえば…何でまおちゃんこんな早く起きてんの?」
「はぁ?今日は早朝会議だろ。文化祭の」
「えぇ!!マジ!?」
…忘れてた。
「お前オレと違って担任だろ…例年通り文化祭前日の職員会議で午後準備だろ。学校全体の」
「いっつも思うんだけどさ、準備午前からでもよくねぇ?それだけじゃなく生徒は午後登校だし…」
「オレに言わずお前の父親に言え。」
「父親ねぇ…あ……」
今思い出してはいけないものを思い出した。
「どうした?」
「やべぇ…母さんが来る……」
金成保家で一番強いのはももちゃんとすると、金成保一族で最強なのは母さんな訳で……。
「…確かに。お前の母さんうちの学校の理事長だっけか?」
「うん」
「お前の家族ゴチャゴチャだな」
「…まぁ被害が無いから良いけどな〜」
「だったら何でやべぇんだ?」
「親父がウザイ」
親父の一目惚れなんだか知らないけど…。
「まぁな…お前の両親の馴れ初めは朝会で聞いた」
「そりゃあご苦労様。出来たよ」
さっきから俺が作っていた朝食をテーブルに置く。
「相変わらずお前、料理の手際いいな。5分位で作ったろ?」
「きゃ!まおちゃんに褒められちゃった!!」
「気持ち悪いから止めろ」
「ひどいわ!まおちゃん!」
「お前絶対わざとだろ?」
バレたか…。
「どう?おいしい?」
「ん?あぁ。うまい」
「そりゃぁ良かった。うちの子供なんか褒めてくれてんのか分かんない褒め方するんだよね〜」
「どんな褒め方だ?そりゃ」
「目の前が霞んでいく褒め方」
「ご愁傷様」
 side-K 











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