あきあじ





目の前に並ぶのは、栗ご飯、舞茸の天ぷら、鶏の唐揚げ、さんまの塩焼き、焼きナス、南瓜のそぼろ煮、わかめと豆腐の味噌汁、デザートは林檎の甘煮とアイスクリーム。
三橋の目はキラキラ輝き今にもこぼれんばかりに見開かれ、口の端からヨダレを垂らしてそれらを凝視している。
「さあどうぞ。おかわりあるから、いっぱい食べてね」
かーさんが笑顔ですすめて、三橋とシュンは大声で「いただきます!」ってユニゾンして食い始めた。
ったく、どっちが兄弟だか分かりゃしねぇ。
しかし、こいつら美味そうに食う。見ててすがすがしい位。
かーさんもニコニコして、嬉しそうに二人の食いっぷりを見つめてる。そりゃ、こんなムチューで食ってくれりゃ、作り手冥利につきるだろう。
でも。でも、だ。
三橋、テメェ、うち来てから一度もオレと目ぇ合わせてねぇだろ。ろくに喋ってもないよな。
もっと言や、朝からこーだぞ。
朝練のときは田島と栗拾いの話で盛り上がってたし、昼休みは弁当にムチューだったし、放課後の練習んときは泉と田島で、良く聞いてなかったけどやっぱり食い物の話で盛り上がってて。 三橋の両親が出掛けてて、前々からオレんちに泊まりにくるヤクソクしてなきゃ、今日1日マトモに三橋と一緒にいられる時間なんかなかったかもしんない。
分かってんのか、三橋?オレとお前、付き合ってんだぞ。
男同士で、バッテリー組んでて、だから、誰にも秘密で。
一緒にいられる時間はスゲェ貴重なんだぞ。
だけど、三橋は目の前の食い物を口に運ぶのに一生懸命で、オレの視線に気づきもしない。
しかも、「美味しい!」とか言いながらシュンと顔見合わせて笑ってやがる。
ムカつく。すっげームカつく。
黙り込んだまま飯を食うオレに気付いて、かーさんが眉を寄せた。
「タカ、あんた、眉間にシワ寄せて食べないでよ。失礼ね」
「るせ」
「タカ!あんたね」
睨み合うオレとかーさんの間に険悪な空気が漂う。
「あああ、あのっ、スゴく美味しい、です!」
三橋の言葉にかーさんの表情が変わる。
「三橋くんはイイコね♪お代わりいかが?」
「く、くださいっ」
「オレも!」
「はいはい」
和やかな食卓の中、オレは一人押し黙ったまま食事を続けた。

クッソ。
百歩譲って野球ならともかく、食い物なんかに負けるなんてサイアクだっ!



-END-




はわわわ…
えむこ様のサイトで踏みましたキリバンの小説です!
リク内容は「三秋の味覚に嫉妬の阿部様」…
このリクに鮮やかに答えていただきました!素敵…!

ありがとうございました!
そんな素敵なえむこ様のサイトは こちら!
LINKからでも可能です^^

次ページ におまけがありますので、そちらも是非!
















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