後ろの席から見えたラブストーリー





 忍足謙也はに恋をしとる。

 この事実は、謙也よりも後ろの席であるクラスメイトは100%で知っとるであろう事実であり、謙也よりも前の席のクラスメイトでも90%は知っとるっちゅう、いわばクラスメイト全員が周知の事実である。
 その事実がバレてへんと思っとるのは謙也だけやし、その事実に気づいとらんのもこれまただけやった。
 なんで謙也の後ろの席の奴らが100%で知っとるかって?それはまぁ、後ろの席になって見とれば分かるわ。謙也な、ごっつ見てんねんのこと。それはもう、こっちが恥ずかしなるくらいにな。
 謙也の右隣がの席なんやけど、その後ろの席の俺、白石蔵ノ介がいつもどんな光景を見とるか、知りたいやろ?

 ほな、お話しましょか。





 まずは朝のHR前の時間。
 先生が来る前の教室はいつも騒がしい。は右隣の女子と昨日のTVの話をしとった。身体ごと右に向けて話とるから、謙也から見えるんはの後ろ姿だけや。せやのに謙也はの後ろ姿をじっと見て、話に入りたそうにが振り向くのを待っとった。餌を目の前に待てをされとる犬のように、その瞳は期待と切なさに満ちとる。
 謙也に耳としっぽがあれば、にも少しは謙也のこの健気な気持ちが届いたんかなぁ。残念ながら犬やなく人間な謙也のそないな気持ちにが気付く気配はこれっぽっちもない。
 よりも、と話しとる女子が謙也に気付くのは当然の話で、可哀想な謙也に彼女は親切にもいつも話を振ってやるのだ。クラスメイト全員が知っとる謙也の気持ちに対して全員が応援し、もどかしく感じとることを謙也が気付けば、少しはこの状況が前進するなんてこと、ないんやろか。
 ようやっと振り返ったに謙也は嬉しそうに口を開くものの、ここで担任の登場。

 どんまいや、謙也。




* * *




 1時間目は古文やった。
 先生が休みらしく、古文の書き写しの課題が配られた。まだ1時間目ということもあり、皆それなりに集中して課題に取り組み、教室は騒がしくもなく小さな声が聞こえる程度やった。も謙也も、特におしゃべりせんと書き写しに集中しとる。せやけど15分ほどたった所で、の「あ」という声が漏れた。俺がプリントに向けていた顔を上げるよりも先に、視界の隅で謙也がすかさず反応したのが見えた。
 の声と同時に反応したように見えた謙也に感心してまうわ。ほんま、伊達にスピードスターやないな。
 恋の方もスピードスターでゲット出来たらええんやけどなぁ。

「どないしてん」
「消しゴム忘れちゃった」
「ほなら────」
「白石貸して〜」

 俺の消しゴムを、と自慢のコレクションをふで箱から出そうとする謙也をスルーし、は振り返って俺に手のひらを見せた。目を見開く謙也に、俺は込み上がる笑いを飲み込んだ。

「お、れの貸したるって」
「えぇ、いいよ白石に借りるから」
「なんでや!ほら、お気に入りのイグアナ消しやで!」
「やだよ、そんなの使えない。白石予備の持ってる?」

 の“やだ”と“そんなの”という言葉にショックを受けている謙也を見ながら、俺はふで箱から消しゴムを取りだした。

「あるけど、謙也がお気に入り貸したるって言うんやからかりたらええやん」
「こっちの方がいいの」

 俺から消しゴムを受け取りながら、は笑った。
 の“やだ”にも“こっちの方がいい”にも、謙也のお気に入りだから使うことが出来へん、っちゅう気持ちが含まれていることを謙也は知らへん。そんなお気に入りの消しゴムを、謙也はだから貸すっちゅうことを、は知らへん。

 恨めしそうに俺を睨む謙也に、俺は苦笑いを返した。




* * *




 2時間目、男子は技術で女子は家庭科やった。
 今日の家庭科のメニューはマフィンだということを知り、そわそわしだしたのは何も謙也だけやない。大半の男はどこか淡い期待を抱いているようやった。俺?俺はなぁ……そやな、一生懸命作ったもんをもらえるのは嬉しいもんやろなぁ。
 と、そんなわけでそわそわとした技術の授業が終了し、教室に戻れば女子はまだ家庭科室から戻って来てへんみたいやった。いつもなら集まったり、教室から出て行く奴らが今はひとりでいたり、教室から出ずにいるというこの光景はなんとも青春らしくて微笑ましい。謙也はの席の方へ体を向けて座りながら携帯をいじり、ぽつりぽつりと俺に話しかけていた。すると女子が教室に戻ってきた。自分で食べてしまったのか、もう誰かに渡して来たのか、手には何も持っていない女子も多い。そんな中ようやく戻ってきたの手には、ラッピングされたマフィンがひとつ。謙也は分かりやすいほどに反応し、期待の眼差しをに向けた。
 そないな顔して、ほんまバレバレやんなぁ。
 はそんな謙也の眼差しには当然気付かずに、エプロンなどを鞄にしまい、ラッピングされたマフィンを再び手にした。それを見て、謙也の息が止まったように見えた。
 謙也、期待しすぎや緊張しすぎや、顔も体も固まっとるで。
 そんな謙也につられて俺にまでの一挙一動がスローモーションのように見えてくる。マフィンを手にしたは謙也の方を向き、固まったままの謙也が再び息を飲んだ。
 しかし、のマフィンは謙也の前を通り過ぎ俺の机の上に着地した。あぁ、謙也が信じられへんっちゅう顔で俺を見とる。堪忍やで謙也、俺のせいとちゃう。

「消しゴムのお礼、良かったらどうぞ」
「ありがとな、せやけど」
「あ、白石のことだから他の子からももらってる?ジュースとかの方がいいかな」
「お礼なんてええねんで」
「いーのいーの。じゃあジュースにしよ。お昼の時とかがいい?」
「せやったらお言葉に甘えて。豆乳がええわ」
「うわ、健康オタク。じゃあこのマフィンは金──」
「腹減ったなぁ!」

 のマフィンの行き先を自分から逸らせば、謙也のそわそわも戻ってきた。が、は金ちゃんに、と言いかけた。それを謙也がわざとらしく遮り、は謙也のことをちらりと見たがそのまま言葉を続けた。

「金ちゃんにあげて」
「なんでやねん!」

 にっこりと笑いそう言うに、謙也は歯を食いしばった。

「なんでって、金ちゃん可愛いし」
「目の前で餓死しそうな奴ほっぽっとくんかい!」
「購買に行ってらっしゃい」
「冷たい奴っちゃな!」
「ひどーい」

 謙也くんがいじめるう、とは俺に泣き真似を見せた。そのまま俺の机に顔を伏せて「食べたいなら食べれば」と呟いた。

「えっ」
「あとで金ちゃんに怒られるのは謙也だからね」
「おおきに!」

 伏せたの頬が何色になっとるかなんて、マフィンに夢中な謙也は気にもせえへん。

 マフィンよりも、大事なもんがここにあるで謙也。




* * *




 3時間目、数学。
 問題を解くの手が止まるたび、謙也はの方に顔を向けた。そうしてそのたびにに問題の解き方を小声で教えて、がありがとうと言えば謙也はそれはそれは嬉しそうに笑った。
 そんな謙也の嬉しそうな笑顔を見るたびに、後ろの席の奴らがほわんとした気分になる。

 この時間はいつも、柔らかい空気が教室に充満しとるんや。




* * *




 4時間目、選択授業。
 は別の教室へと移動して行った。俺と謙也は変わらず同じ教室で、2人で1番後ろの窓際の席に座った。窓の外を眺めていた謙也は頬杖をつき、俺を見た。

「あいつ、白石に惚れとるんかな」
「なんや突然、何を根拠に」
「ようお前に話かけるやろ」

 それはなぁ、と言いたい気持ちを抑えて、俺は首をかしげた。
 そもそも、“あいつ”だなんて突然言い出して、それが誰なのか聞かず俺が普通に返事をするっちゅうことの意味を、謙也は分かってへん。自分の気持ちがバレバレなこと、ほんまに分かってへんのやなぁ。いい加減、俺にくらい謙也の気持ちを打ち明けてくれてもええのに。相談もされんと、寂しいんやで?

「そうか?」
「そうや」
「なんでそんなん気になるん」
「な、なんでって、別に」

 耳を赤くしながら、謙也は顔を窓に戻した。

 なんで俺に言うてくれへんのやろ。




* * *




 昼休み、教室に戻ってきたの手には教科書と一緒に豆乳パックが抱えられていた。

「しらいしーはい、豆乳!」
「おおきに。なぁ、お昼一緒せえへん?」
「え!?」
「なに、なんで謙也が驚いてんの?」

 俺の言葉に、ふいをつかれた顔をしたやったが、それ以上に謙也が驚いた声を上げた。平然としている俺と、そして驚いている謙也。教室に残っていたクラスメイトの視線がわずかに集まるのを感じながらも、俺はを見た。

「いつもの子達と食べるから無理やろか」
「それは大丈夫だけど、どうしたのいきなり」
「んー?から豆乳もろた記念や」
「なんで記念になんの」

 笑うに、謙也は焦ったように立ち上がった。

「お、俺と!」
「え?」
「俺と一緒に……食う約束しとったやんけ白石!」

 ────俺かい!
 あぁ謙也、俺はどないしたったらええねん。相談もしてくれへんで、ひとりで頑張るのかと思えばなかなかに決定的な態度をとらへん。いや、とっとるんやけど、が気付いてへんなら意味あらへんやん。
 せやから、ちょっと焦らせたろと思ったっちゅうのに。

「残念、振られちゃったね謙也」
「先に約束しとったのは俺や!」
「はいはい、3人で仲良く食おか」

 なんや、上手くいかへんもんやなぁ。
 じれったく思いながら謙也を落ちつかせると、は笑いながら席をはずし、いつも一緒に弁当を食べている女子に何かを言ってから戻ってきた。

「じゃー食べよっか」

 俺の席にお弁当を置いて、俺と向き合うように座るは手を合わせて「いただきます」と言った。横では嬉しそうな謙也が椅子を引っ張って俺の机に寄せていた。謙也が自分の弁当を俺の机に乗せると、は嫌そうな顔をして謙也を見上げた。

「ひとつの机に三人分って狭いんだけど」
「ほらなお前が机動かしや」
「謙也が動かせばいいじゃん、しかもなんか距離近いし!」
「はぁ?お前の方が白石と近いやろ!ちょっと離れや」
「別に近くないし、横入りしてきたのは謙也でしょ」
「先に約束してたのは俺やっちゅうとるやろ」
「仲良う食べや」

 ほんまに。見てて呆れてまうわ、本人たちの鈍感っぷりに。
 は明らかに謙也との距離の近さに動揺しとるっちゅーのに、謙也はと俺との距離に嫉妬しとる。なんやねんこのトライアングル。いつの間に俺が組み込まれてん。俺は二人のことを見守っとるだけなんやけどなぁ。
 あ、そうか。

「すまん、ちょお先食べとって。俺金ちゃんに用事あること忘れとったわ」
「金ちゃんに謙也が金ちゃんのマフィン食べたって言っといてね」
「俺がもろたんやから、俺のやんけ」
「金ちゃんにあげようとしたのを謙也がとったんでしょ」
「ほならお礼に買うたプリンは金ちゃんにやればええんやな」
「えっ、食べたい!」
「白石これ金ちゃんに──」
「ありがと謙也くん!そんなに私の作ったマフィンが美味しかったのね」
「べ、別に嬉しかったからとかちゃうで!」
「……へ?うれし?」
「あっ、いや、美味しかったからとちゃうで!」

 いつの間に買うてたんか、購買のプリンを取りだした謙也に目を輝かせたに腕を掴まれ、謙也は若干顔を赤らめた。の”美味しかった”を聞き間違うてつい本音の”嬉しかった”と漏らす所が何ともまぁ謙也らしい。発言だけ聞けば世で言うツンデレっちゅう感じやのに、謙也が言うとただのデレデレかバレバレやんな。
 それなのには気付いてくれへんし、ほんまもどかしい。

「ほな行ってくるけど、俺の弁当食うなよ」
「おっ、フリやな」
「ちゃうわ」
「このスペインオムレツ美味しそうだよね」
「毒手やでチャン」

 包帯を巻いた手をひらひらとさせて、俺は席を立った。そして教室の外に出て、立ち止まる。
 俺がいるから、あの二人はああなんやろな。二人が心配で見守っとるつもりが、俺がいるせいで二人は俺に甘えて、俺を逃げ道にしよる。トライアングルっちゅうより、素直になれない二人の気持ちに俺がサンドイッチされとるのが正しい表現やと感じる。
 現にどや、廊下からこっそりと教室を覗いて見れば、二人は楽しそうに笑っとる。二人でいる時の方が、お互いに素直に見える。それやのに、なかなか二人にはならへんし、なれへんのやろ。それなら、俺がしてやれることはひとつや。

 さて、金ちゃんに用事なんてほんまはあれへんのやけどな、どないしよ。俺も腹減っとるし昼食いたいねんけど、弁当は置いてきてもうたからなぁ。
 からもろた豆乳のストローを吸いながら、俺はとりあえず金ちゃんの教室へと向かった。





 昼休み終了10分前に教室に戻ってみれば、大笑いしていたと謙也がピタリと止まった。せっかく楽しくしとったのに、ほんま俺はお邪魔虫なんやなぁと若干切なくなりながら、二人の表情を見て今回はそれが理由じゃないということを悟った。食うたな、こいつら。

「楽しそうやなぁ、何の話してたん?続けてや、俺は弁当食うから」
「白石遅かったやん!金ちゃんとこで食うて来たんやないんか?」
「いーや、育ち盛りの金ちゃんの弁当をとるわけないやん」
「でもほら、もうお昼休み終わっちゃうよ?今から食べたら授業始まっちゃうと思う!」
「せやけど俺も育ち盛りやからちゃんと食わへんと、なぁ?」

 焦る二人ににっこりと微笑めば、二人は笑顔を引きつらせた。

「も、もう弁当腐ってるかもしらんから、やめとき白石!」
「こんな短時間で腐るわけないやろ」
「腐る!きっと腐る!」
「そうだよ白石、私消しゴムのお礼に豆乳だけじゃなくてパンもつけるから!」

 おにぎりでもいいよ、と言うに「平気やって」と言って弁当の蓋に手をかける。

「腐っとらんし、5分で食べきれる量やろからな」

 そう言えば、二人は揃って頭を下げた。




* * *




 結局、5時間目の英語終了後に謙也を購買へ走らせて、俺は6時間目が始まる前に焼きそばパンをかじった。昼休みに開けた弁当は見事に白米だけが俺を見上げていて、色と言えば中央に乗せられた梅干しだけでいつの時代やとツッコミたいほどやった。

「私は何も買ってこなくていいの?」
「ええんや、は豆乳くれたやろ」
「あれは消しゴムのお礼だよ」
「ええの」
「じゃあ、デザートにこれあげる」

 そう言って、は机に家庭科で作ったであろうマフィンを置いた。俺は思わず目を丸くする。

「これ、調理実習でさっき作ったやつやろ」

 謙也は今ドアの所で友達とお喋りをして、こっちを見ていない。もそれをちらりと確認して、小さく頷いた。

「ふたつ、作ってあったから」

 恥じらいながらそう言うに、あぁもう、と思う。
 最初から、は謙也の分も用意しとったんや。せやけど素直に渡せへんから、俺にひとつ渡す勢いで謙也にも渡せたらって思ったんやろ。せやけど謙也が必死で俺に渡されたマフィンを手に入れたから、このマフィンは行き場なくの鞄の中。
 可愛らしなぁ、

 謙也、はよせんと俺がに落ちてしまいそうやで。




* * *




 6時間目、世界史。
 謙也は授業開始早々に眠りについた。まぁ、だいたいいつものことやけど、またかというような顔では謙也のことを見ていた。せやけどその顔は、どこか嬉しそうやった。そしてすぐに顔を黒板に戻し、は真面目にノートに書きこんで行く。
 世界史の授業は、苦手ということもあって謙也はなかなかまともに聞かへん。聞かへんから苦手なんとちゃうんかと思わんでもないが。せやからノートはいつも白紙に近く、謙也はこの席になってから毎回のようににノートを借りていた。嫌そうな顔をするもののはいつも謙也にノートを貸しとって、そのノートは日に日に見やすく綺麗に進化しとった。ノートをうつす謙也を覗き込んで、俺も借りたいと思ったくらいや。
 一生懸命にノートを書きこむの背中と、それを知らんと寝ている謙也の背中。

 1日のうちに、俺は二人の色んな後ろ姿と表情を眺めとる。俺はこんなにも二人の気持ちがよく見えとるっちゅうのに、当の本人達には何も見えてへん。誰かこの二人の姿をカメラで撮影してくれへんやろか。後ろから眺めとるだけで、全てが分かる。

 どこかの恋愛映画を見るよりも楽しくて、もどかしい。




* * *




 放課後、全員起立の後の礼も終えて、掃除が始まる。
 掃除当番やない謙也は、はよ部活行くで、と俺をせかした。はいはいと返事をし、教科書を鞄にしまう俺をせかすくせに、視線はちらちらと箒を手にしたへと向かっていた。
 バイバイ、と友達に手を振るを見て、自分も声をかけたいんやろ。

「準備出来たで、行こか」
「お、おう」

 諦めたように顔を逸らし、謙也は教室のドアへと向かった。やれやれ、と思いながら俺もその背中を追う。そうして教室を出る前に、顔を後ろに向けて手を上げた。

ー、また明日な」

 視界の隅で謙也が立ち止ったのを確認しつつ、に手を振る。は箒から片手を離して手を振り返してくれた。

「ばいばい、白石」

 なんで謙也は、こんな一言も言えへんのやろなぁ。誰彼かまわず人懐っこいくせに、好きな子に対して初心すぎる。

「謙也もバイバイ、部活頑張ってね」
「っ……おう!」

 勢い良く振り返った謙也は息を詰まらせ、そして大声で返事をした。あまりの大声に、いくら放課後の騒がしい教室内だと言ってもクラスメイトの視線が謙也に集まっていた。も驚いたように瞬きをして、そして笑っていた。
 なんや、の方が1枚上手か?それとも謙也の気持ちに、多少なりとも気付いとるんやろか?まったくもって女の子は読めへん。
 それに比べて男の、謙也の単純明快さと言ったら。

 教室を出て、これから全国大会にでも行くんやないかと思うほどの勇み足に俺は笑った。





忍足謙也はに恋をしとる。

 この事実は、謙也よりも後ろの席であるクラスメイトは100%で知っとるであろう事実であり、謙也よりも前の席のクラスメイトでも90%は知っとるっちゅう、いわばクラスメイト全員が周知の事実である。
 その二人の後ろの席にいる俺が、どんな光景を見とるか分かったやろ。はよこの二人がくっつけばええと、もどかしくなるやんな。

 せやけど本音を言えば、この完成されないラブストーリーをまだ見ていたい気持ちもあるっちゅうたら、二人に怒られるやろか?






20120718
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