私だけのサンタクロース







 サンタの格好で、白くふわふわの髭までつけている赤司を見て、は目を丸めた。

「赤司くん…!」
「メリークリスマス、。サンタが来てくれたことがそんなに嬉しいのかな?」

 驚いて目を瞬かせるを見て、赤司は笑った。のその顔は、まるで初めてサンタを見た子供のそれに似ていたからだ。

「サンタさんが来てくれたのも嬉しいんだけど……赤司くんがお髭まで付けてくれるとは思わなくて」
「やるなら本格的にやるべきだろう?」

 白い髭に覆われているせいで口元はよく見えなかったが、いつもの凛とした瞳が誇ったように細められているのを見ては胸の奥がくすぐったくなった。普段冷静で青峰達のようにふざけたことをしない赤司だったが、彼にも遊び心があり、そして自分の変装に満足しているのだ。サンタの格好をしているだけでも驚きだったが、髭までつけ乗り気な赤司に更に驚いた。しかし赤司にもそんな茶目っ気があったのだ。
 そんな赤司をは可愛い、と思った。

「うん。サンタさんの格好も似合うね、赤司くん」
「当然だ」
「その袋の中には私の分のプレゼントも入ってる?」
「もちろん。でもその前に、には特別もうひとつ」

 そう言って顔を近付けて来た赤司に、はいつものように自然と瞼を下ろした。しかしすぐに、口元に触れたふわふわの感触に驚き目を開けた。赤司も同じことを思ったのだろう。僅かに目を見開き、二人は数秒無言で見つめ合った後に同時に吹きだした。
 いつもの口付けを、サンタのふわふわの髭が邪魔をしたのだ。

「サ、サンタさん、お髭……っ」
「あぁ、すっかり忘れていたよ。僕は今サンタだったね」
「みんなのサンタさんは、こんなことしちゃいけないんじゃない?」
「そうか。じゃあ僕はだけのサンタでいよう」
「世界中の良い子が泣いちゃうよ?」
「仕方ないね、僕はさえ笑っていてくれれば満足だ」

 髭を外し、再び顔を寄せた赤司には“悪いサンタさん”と呟きながら目を閉じた。のその言葉に赤司は嬉しそうに微笑み、優しく唇を重ねた。






20131223
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