00.プロローグ








 海常高校に入学して初めての夏休みを終えて、新学期が始まった。
 最初のLHRで席替えをした私の席は廊下の壁沿い、前から3番目。
 後ろには、きらきら輝く黄色の髪。

「よろしくっス」
「うん、よろしくね」

 交わした言葉に、彼の眩しい笑顔を思い出して胸が疼いた。


 いつもより下がった目尻に、ぴんと跳ねた睫毛。
 嬉しそうに笑い声を上げて、飾らない無邪気な表情をする。


 私は、彼の笑顔を見るのが好きだった。
 今目の前にある笑顔とは違う、彼のあの笑顔が、好きだった。








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