no harm no harm !





「あらリーマス、その大きな箱は…まさかケーキ?」
「ご名答。この間レポートを少し手伝ってあげたんだけど、そしたらその御礼にって」
「こんなにたくさん!?」
「そう、美味しそうでしょ?」
「…本当に手伝っただけなの?」
「もちろんだよ」
「じゃあケーキ以外に何かもらったんじゃなくって?」
「ケーキだけだけど?」
「…罪なオトコね」
「うん?一緒に食べようと思ってたんだけど、気分じゃないかな」
「とっても気分よ!」
「なら良かった。じゃあ紅茶を淹れるね。は?」
「部屋にいると思うから、今呼んでくるわ」




 ベッドでうずくまる私の耳にバタバタと少し騒がしく階段を駆け上る足音が聞こえた。足音が近付くとガチャリと部屋の扉が開いた音がして、私は閉じていた目をゆっくりと開ける。ドアに顔を向けると、嬉しそうに笑ったリリーが飛び込んできた。

!リーマスがたくさんケーキを…あら?お昼寝してたの?」
「んーん、横になってただけ」
「顔色が優れないわね、具合悪い?」
「うん、ちょっと生理痛」
「大丈夫?今薬を作ってあげるわ」
「ちょっと横になってれば平気だからいいよ」
「またそうやって…じゃあ何か温かい飲み物は?」

 リリーは私のかぶっていたブランケットをかけなおしてくれてから、自分のベッドのブランケットまでもを私にかけた。彼女はとても優しいけれど、たまに心配性すぎる。こんなにブランケットをかぶっていたら少し熱いくらいなのだけれど、私はリリーの優しさが嬉しくて黙っておくことにした。

「大丈夫、それよりリーマスが何?」
「あぁ、リーマスがケーキをたくさんもらったから一緒に食べようって誘ってくれたのよ」
「ケーキ!?いいな〜何ケーキかな。リリー食べておいでよ」
が一人で具合悪くて寝てるのにそんなわけにいかないわ」
「私は大丈夫だから、食べてきて?それで私の分をとっておいて!」
「でも…」
「私の好きそうな、一番美味しそうなやつ!ね、リリーが選んできてくれなきゃリーマスにとられちゃう。って、元はリーマスのだけど」
「…分かったわ。食べたらすぐ戻ってくるから、安静にしてるのよ?」
「大袈裟だなあ、毎月のことなのに」
「今すぐ薬を飲ませてあげてもいいのよ?」
「大人しくしてマス」

 にっこりと微笑まれてはブランケットを鼻までかけて眠るしか他なかった。リリーの用意してくれる生理痛用鎮静剤はとても良く効くのだけれど、それと同時にとても苦いのだ。苦いのが嫌で私はいつも薬を飲むよりも腹痛を我慢してしまう。耐え切れなくなったら飲むけれど、ちょっと横になっていれば大丈夫そうなときは極力飲みたくはなかった。
 リリーを見送って、再び目を閉じた。寝ていた方が痛いのを忘れられるし、起きた時には治っているかもしれない。そう思って、寝ようとうつらうつらと眠りに入りかけた私の耳にまた足音が聞こえた。リリーが出て行ってから数分しかたっていないはずなのに、もう戻ってきたのかな?部屋の扉が再び開いたけれど私は目を開けずに声だけをかけた。

「もうケーキ食べたの?」
「あんなクソ甘そうなの食うかよ」
「…えぇ!?」

 リリーとは正反対の低い声と乱暴な口調に驚いて目を開ければ、そこにいたのはケーキを載せたお皿を持っているシリウスだった。

「な、なんでシリウスが」
「腹痛いやつがケーキ食うのかよ?」
「…そのお腹痛いじゃないもん」
「あぁ、お前も一応オンナノコだもんな」
「いっ一応って何!?」
「ケーキ持ってきてやったのにその態度か?」
「う…ありがとうございます!」
「今食うなら紅茶入れてやるけど」
「うーん…もうちょっとしてから食べる」

 私の返事を聞いて、シリウスは杖を振った。お皿に乗せられたケーキにふわりと透明なものがかけられるのを確認してから、サイドテーブルにケーキの乗ったお皿を置いた。お皿にはチーズケーキとチョコレートケーキ、そしてフルーツのタルトと3つのケーキが乗せられていた。リーマスがたくさんのケーキを、とリリーは言っていたけれど、私に3つもくれるだなんて一体何個のケーキをリーマスはもらったんだろう?

「寒いのか?」
「え?ううん、なんで?」
「んな2枚もブランケット着てるから」
「ああ、リリーがかけていったの。お腹暖めた方が楽になるから」
「そうか」
「うん」

 シリウスはケーキをサイドテーブルに置いた後も立ったまま私を見下ろして動かなかった。座る場所がないからだと思い、私は少しずれてベッドにシリウスが腰掛けられるようにスペースを空けて、ぽんぽんとそこを叩いた。

「座る?」
「ん?ああ」
「なに、どうしたの?シリウスもケーキ食べたかったら私に遠慮しないで食べていいよ」
「俺が食うと思ってんのか」
「だってなんかぼーっとしてるから」

 ベッドに腰掛けてもなお何か考えていそうなシリウスにそう言えば、シリウスは一度しまった杖をまた出した。

「まだ腹痛いんだろ?」
「うん、ちょっと」
「鎮痛薬作ってやろーか」
「え゛、いいよいらない!」
「なんだよ、お前じゃねーんだからそんくらい簡単に作れるっつの」
「そうじゃなくて!苦いから飲みたくないの!だから大人しく寝てるの」
「苦いって、一瞬だろ。それで楽になるなら飲んだ方がいいだろ」
「いーやーなーのー。いいの、寝てたら治るからっ」

 ぼーっとしたように見えていたのは薬の作り方を思い出していたからみたいだった。確かにシリウスの言う通り長時間の腹痛よりも一瞬の苦味の方が良いのだろうけど、私はそれほどまでに苦い薬を飲むのが嫌だった。というよりも、それほどまでにその薬は苦いのだ。前に飲んだ苦味を思い出して渋い顔をしている私を、シリウスは呆れた目で見ながら杖をしまった。

「しょうがねえな」
「えっ……なに?」

 しょうがねえな、と言ってシリウスは私がきていたブランケットを2枚ともはいだ。意味がわからず目を丸くする私を気にせずにシリウスはギシリとベッドを軋ませて、私の上に覆いかぶさる。

「えっ、え、あの、シリウス!」
「いいから大人しくしてろ」
「ちょっ、待って、待っ………え?」

 パニックになりながら身構えて目を瞑った私は、予想に反するシリウスの行動に驚いて目を開いた。目の前にはニヤリと意地悪そうな笑みを浮かべるシリウスの顔が。

「ナニを期待したの、お前」
「なっっ」

 シリウスの手は、私のお腹の上に乗せられ優しく上下に動くだけだった。私の痛いと言うお腹を、撫でてくれているのだ。自分のしてしまったヤマシイ想像とシリウスの言葉に私は顔が真っ赤になり、体温が一気に上昇した。
 それはもう、ブランケットを10枚くらいきてるような気分!

「腹痛いっつうのに薬も飲みたくねえって言うから、少しでも良くなるようにさすってやろうと思ったんだけど?もっと上の方をさすって欲しかったか?」
「………!」

 自分のしてしまった失態に恥ずかしくて恥ずかしくてしかたがない上に、シリウスにお腹を撫でられているという事実に私は恥ずかしいというよりもパニック寸前で、ドキドキと跳ねる心臓を抑えられなかった。いつものように悪態も返せないし、ただの返事すら浮かばない。どうしようどうしよう、息も上手く吸えなくなってきたし…勘違いして照れてる以上の、私のシリウスに対する感情がバレたら困る。どうしていいか分からなくて泣きそうになってきた私の耳に、まさに天の助け、近付いてくる足音が聞こえた。この足音は絶対リリー、リリーの足音!

「…おい?どうし────」
「キャーーーーーーーーーーー!!」

 もう今の私にはこれしか思い浮かばなかった。せっかく私のためにケーキを持ってきてくれて、痛みを和らげようとしてくれてたのに、本当にごめんねシリウス。でもダメ、こんな状況耐えられない!
 私の悲鳴にシリウスは目を見開いて、同じタイミングで部屋のドアが勢いよく開いた。突然ドアが開いたことにシリウスは驚いて振り返り、私は安心したように目を瞑った。開け放たれたドアの向こうにいたのはリリーとリーマスで、リーマスはケーキがたくさん乗ったトレーを持っていた。
 リリーの動きは驚くほど素早くて、いつのまに取り出したのか分からない杖をシリウスに突きつけてこれでもかというほど睨んでいた。シリウスの動きもリリー同様素早くて、私のお腹に乗せられていた手はシリウスの顔の横で掲げられていた。私は今度こそ本当に安心して、溜息をついた。

「シリウス?あなたに一体何をしているのかしら」
「な、なにもしてねぇよ!おいなんで悲鳴なんか」
「シリウスがセクハラしてきたの」
「セクハラって…腹痛てーっていうから俺は」
「セ ク ハ ラ?」

 ようやく私は落ち着きを取り戻して、いつものようにシリウスに悪態を返せたことに胸を撫で下ろしていた。良かった、これで私の余計な感情をシリウスにバレないですんだ。

「リリー、冗談だよ」
「ほらな、杖降ろせよ!」
「本当に冗談なの?
「うん、リリーの足音が聞こえたからちょっとシリウスをからかっただけ」

 はがされたブランケットを元に戻しながら、私は再び鼻先までブランケットをかぶりリリーとシリウスに笑った。リーマスは壁にもたれかかりながら、全てお見通しかのように私を見ていた。…まさかリーマスにはバレてる?

「リーマス、私ケーキ3つももらっちゃっていいの?」
「うん、足りなければもうひとつどう?」
「ううん、3つで十分。ありがとう、少し寝てから後で食べるね」
「やっぱり具合悪いのね?」

 ベッドの脇に立ち尽くすシリウスを押しやって、リリーが私の顔を覗きこんだ。私は大丈夫だよ、と普通の声で言った後に、リリーにしか聞こえないような小さな声で「話があるの」と呟いた。リリーはすぐに察したのか立ち上がり、シリウスをドアの外へと押しやった。

は少し寝るから、出て行って!」
「俺だって心配して来たんだぞ!」
「ええありがとう、でもには私がついてるから大丈夫よセクハラ男」
「だからセクハラなんかしてねぇって!」

 シリウスの否定の声すら追いやるようにドアはバタンと閉じられた。心配して、ケーキを持ってきてくれて、本当に嬉しかったんだよシリウス。でもごめんね…。私は心の中で再びシリウスに謝った。

「僕も退室した方が良いかな?」
「そうね、少し席をはずしてもらえる?ケーキは食べてていいわよ」
の具合が悪くないようだったら、また後で来るけど」

 意味ありげに微笑まれて、やっぱり全部お見通しなんだ、と複雑な気持ちになった。それならここにいても問題はないけど、もしかしたらそうじゃないかもしれないし…そう簡単に私とリリーの“秘密”を打ち明ける気にはなれなくて、私は「10分後でいいよ」とだけリーマスに告げて再び目を閉じた。リーマスにバレてるとしたら、ジェイムズにもバレてるのかな。そしたらシリウスにも?やだやだそんなの困る、そんなことない、バレてないバレてない!

「じゃあ、後で来るね。ケーキは皆で食べた方が美味しいから」

 リーマスはケーキをテーブルに置いて、先ほどシリウスがかけていた魔法と同じものをかけてから部屋を出て行った。リリーはベッドに腰掛けて「それで?」と私を促した。私は先ほどのことを再び思い出して顔を赤くしながら、私はもごもごとリリーに話した。
 シリウスが心配してくれて嬉しかったのに、思いがけずあんな風に触れられて、恥ずかしいような嬉しいような、どうしていいか分からなくて心臓がはち切れそうで、息も上手に出来なくて仕舞いには泣き出しそうになってしまったこと。

「いつものように出来なくて、どうしていいか分からなくてリリーの足音が聞こえたから…悲鳴あげて、ああ言うことしか思い浮かばなかったの」
、あなたってば…」
「でも私ちゃんといつも通りな感じに出来てたよね?シリウスには“なんだこいつ”って思われちゃったかもしれないけど」
「そんなこと思ったりしないわよ、セクハラしたシリウスが悪いんだもの」
「でも、嫌だったわけじゃないんだよ。私どうすれば良かったのかな…」

 好きな人に触れられて嫌なわけがない。ドキドキして、嬉しかったけど私はパニックになってしまって、ああいう態度をとるしか出来なかったのだ。私がもう少しうまくやれれば、いい雰囲気になったのかな。でも、いい雰囲気になったとしてもその後私は同じ行動をとってしまったような気がする。どうすればいいの?せっかく近づけても、私はどうすることも出来なくて、むしろ離すようなことしか出来ない。

「いいのよあれで、恋人同士になれば慣れるわ」
「こっ恋人同士!?」
「そうよ、なりたいんじゃないの?」
「なりたい、けど…シリウスとは絶対無理だよ!!」

 容姿端麗で成績優秀、年上のお姉さまからも年下の女の子からも人気のシリウスと、この私が恋人同士?甘い空気も作れないで悪態ついたりどつきあったりするような関係だっていうのに!思わず大声でそう言うと、自分で言ったことなのにヘコんでしまった。シリウスのことは大好きだし、恋人同士になれるならなりたいって思うのに、普段のシリウスと私の関係を思い返せば返すほど、なんだか“絶対無理”の言葉がしっくりきてしまう。
 でも私はここから更にヘコむことになる。

 私が「シリウスとは絶対無理だよ!!」と思わず大声を出してすぐに、ゆっくりと部屋のドアが開いたのだ。もう10分たったの?リーマス時間に正確すぎだよ…と思いながらドアに目を向ければ、開いたドアの向こうにいたのはにっこり微笑むリーマスと、その後ろでショックを受けたような、無表情のシリウスが立っていた。
 なん、なんでシリウスまでいるの!?リーマスだけでしょ、戻って来るのは…!!

「シリウスとは何が無理なの?」
「リ、リーマス!10分って…!」
「もう10分たったよ」
「どこから聞いてたの!?」
「“シリウスとは絶対無理だよ!!”しか聞こえなかったよ、ねえシリウス?」

 リーマスはにっこり微笑んだまま部屋に入ってきて、杖を振りながら紅茶の準備をし始めた。普通の声で喋っていたのに“シリウスとは絶対無理だよ!!”の言葉だけ、ご丁寧に私を真似するように大きな声で言ってくれて、シリウスに視線を移した。シリウスはと言うとドアの前から動かないでいる。
 なんで?どうして10分きっかりに来るの?というかどうしてシリウスを連れてきちゃうの!?これって私が悪口を言ったような感じになってない?そうだよね“シリウスとは絶対無理”だなんて、その言葉だけを聞けばシリウスを否定するような、そんな言葉に聞こえるもんね。本当は私とシリウスの関係が恋人同士になはならないだろうっていう、ある意味私に対する悪口の言葉なのに…。これで更に私とシリウスの恋人同士になれる可能性は遠のいてしまった…。私はもう何もフォローが思い浮かばなくて、うなだれるように頭からブランケッドを被った。
 するとポンポン、とあやすようなリリーの手が私の頭に乗せられて、リリーの声が部屋に響いた。

「シリウスと美味しいケーキ屋さん巡りは絶対無理っていう話をしてたのよ、ねえ?」
「…え、うん…そう」
「シリウスは甘いもの好きじゃないし、来週のホグスミートのデート相手にしては不足すぎるわ」
「ああそういえば、新しいケーキ屋さんできたよね、カフェも併合してる所」
「そうなの!私が一緒に行きたかったんだけど、生憎ジェイムズと約束しちゃってて、ひとりなのよ」
「なるほど。じゃあ僕がご一緒しようか?シリウスとは“絶対無理”だと僕も思うよ」

 頭上で勝手に繰り広げられるリリーとリーマスの会話に、私は口を挟むことが出来ず、ただ内容を追っていくだけで精一杯だった。リリーがジェイムズと約束を?そんな話聞いてない、来週は私と一緒に行く予定だったはずなのに…ジェイムズのやつめ、私とリリーとの時間を奪ったのね。そんなことを考えていればリーマスが一緒にいてくれると提案してくれた、と思えば再び“シリウスは絶対無理”の言葉。そんな、ほじくり返すように何度も言わないで欲しい、シリウスの中の私のイメージをこれ以上下げないで…。うまく会話に乗っかれずにいると、リリーとリーマスの会話を遮るようにシリウスの声が部屋に響いた。

「べ、つに無理じゃねえだろ!何が不足なんだよ!」

 怒ってる?やっぱり怒ってるの?ドアも閉めずにドカドカと歩いてきたシリウスは不機嫌そうにそう言った。助け舟を出してくれたリリーには感謝だけど、シリウスを怒らせない嘘が良かったな…。ほらなんか…ええと、シリウスにテストで勝つのは絶対無理!とか。ほらこれいい感じじゃない!?そうだ、こう言えば良かった!とても今さらだけど。

「不足よ、ケーキを分け合うことも出来ないし、批評し合うことも出来ない」
「ケーキが食えねえわけじゃねえ!分け合うことも批評だって出来る!」
「あらそう?甘い匂いの漂う空間にいるだけで嫌なのかと思ってたけど」
「全然平気だ!、来週は俺とデートだ!!」
「…ぇえ!?」
「不足じゃねぇってこと証明してやるからな!!」

 一言、また一言言うたびに近付いてきて、ついにはまた私に覆いかぶさるように宣言してきたシリウスに耐えられなくて私が顔を背けると、バシーンと良い音が鳴った。おずおずと顔を元の位置に戻せば、シリウスが頭を抱えて悶えている。リリーの平手がシリウスの頭に命中したようだった。

「セクハラは禁止!!」
「だ…からセクハラじゃねーって!」
「シリウス、相手がセクハラと感じたらセクハラは成立するんだよ」
「なっ、セクハラなんて思ってねぇよな!?」
「セ……セクハラ」
「なんでだよ!?」

 だって!触れられなくたって近付かれるとドキドキするんだもん!普段のノリと状況なら平気だけど(それでもドキドキしてるけど!)こんな、部屋で、しかもベッドの上でなんて!女の子だってヤマシイ想像くらいしちゃうのよ!
 再びブランケットを頭までかぶって隠れていると「あ、紅茶もう蒸れたね。はいじゃあ紅茶も入ったことだし、シリウスはもういいよ」というリーマスの声がしたと思ったら再びシリウスの抗議の声が聞こえて、すぐに遠ざかっていた。どうしたのかとブランケットから顔を出せば、シリウスはいなくて閉め出されたのかドアがドンドン叩かれている。ベッドのすぐ脇を見ればリリーとリーマスがひとつテーブルを出して、その上にケーキと紅茶を上機嫌で並べていた。

「あの…シリウスは?」
「うん、これは三人のお茶会だからね、邪魔だよね犬は」
のために部屋に入れてあげたけど、後は私たちの時間だもの」


 ドンドンうるわいわよ、そう言ってリリーはドアの外側に防音の魔法をかけた。
 リリーとリーマスはにっこり笑って「はどれから食べる?」と私にケーキを促してくれた。来週のシリウスとのデート、二人のおかげで行くことが出来ることになったけど…二人は私の協力者なのか、そうじゃないのか。なんだか二人の笑顔が似ていて、私はちょっぴりこわくなってしまった。

 だって…シリウスも部屋にいても良かったよね?

 そう思っても、私は二人の笑顔にさからえる勇気もなく、大人しくチョコレイトケーキにフォークを刺した。お腹痛いのもどこか行っちゃった。






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