「知ってる…?水曜日の焼却炉の話」

「何それ?」

「水曜日の放課後にゴミを焼却炉に持って行くとね…」








焼却炉のお化け









“突然焼却炉から手が伸びて、ゴミ箱ごと焼却炉に引きずり込まれるんだって…”













…何故だ…

何故そうなってこうなったんだ…。







そんな怪談を春にもかかわらず聞かされたのが月曜日。
そして私は今週の水曜日に掃除当番…。

暗い面持ちで同じ掃除当番の子がぽつんと言った。


「ゴミ出し、行かなくちゃね」


私は出来る限りの努力はした。

「そういえば…黒板消しはたいてないよね!わ、私やっておくから行っといてくれる?お願い!」


「…………今日、水曜だよね…」


そう、彼女も知っていたのだ。
でも私たちはその話をしようとはしなかった。


そ、そうだけど!?行ってきなよ、私ホントマジで黒板はたくから。机もはこんどくから!」

「…じゃんけんしようよ」

「え?」

「…じゃーんけーん…ぽん」

「うぇ!?」


突然の提案に私はとっさにパーを出した。
相手はグー。私は不謹慎だがにやっとほくそ笑んだ。
そんな私に神は天罰を下したのか、


「じゃあ、勝った人が行ってね」







なんでだよ

お前どっちにしろ行かす気だったんじゃねーの



なんて言葉は、行き場を無くしたパーに押しつけられたゴミ箱を前に言う気力もなかった。












そんな成り行きで、プール脇に設置された焼却炉の近くまで来たわけだ。


いやいや、なんでさ。なんで怖がる必要がある?
そんなのただの噂…。

そんな事あるわけ、ないよね。



そう、自分に言い聞かせる。
角を曲がれば焼却炉が見えるはずだ。
私はうるさい心臓に渇を入れると、体をくるりと回して焼却炉を見た。



銀色の焼却炉からはもくもくと煙があがっている。
なんの変哲もない焼却炉である。

そしてその側には…



銀色のさ●子?









うえええええええええええ!?!?





私は踏み出しかけた足をまたくるりと戻した。


なんだ今のあれ何あれ。

なんでこんな所にさ●子が!?



いや、いや…落ち着け、自分。
さ●子は第一黒髪だ。そんなポ☆モンの色違いみたいなの存在するわけないだろ。
さ●子は一人なんだし。無数にいたら空前のダビングブームが起こってるはずだし。
それにあれだ。さ●子の出没ポイントは井戸か、テレビのある場所だ。
ここは外だし、井戸なんてこの学校の敷地内にあるわけない。水道あるしね。

だから…落ち着け!
あいつはさ●子ではないと立証できる!


さ●子じゃない…。






そうだ、ストパーに成功した竹中先輩かなんかなんじゃないのかな。

そうだね。きっとそうだ。


よし、もう一回…。





私はまた壁から焼却炉の方を覗き見た。

居る…、奴はそこに居る。
けど、違うんだって。あれは竹中先輩的な何かだよ、何か。



ほら、今人間的な行動をしているよ。



雑草をむしって


焼却炉に投げ入れたね






そんな無意味な行動、人間以外何の生物がすると。





大丈夫だ…。シャツ湿ってきたような気がするけど…。全然大丈夫だ…。




私は勇気を振り絞って、一歩踏み出した。
震える足で一歩一歩焼却炉に近づいていくと、焼却炉の近くにいた銀髪の何かがこちらに気づいたようで、こちらを振り向いた。

目を見るな!見たら死ぬ!



いやいや、怖いんじゃない。念には念を入れてだね…
目を逸らしながらも焼却炉の近くまでたどり着いた。


私は冷や汗をだらだら流しながら無言で焼却炉にゴミをつっこんだ。


よし…火の中から手はでてこなかった。
やっぱりお化けなんか出るわけ


「ちょっとあなた」
「ぎゃああああああああああああああああああああ」
「勝手に焼却炉に」
「あいやぁあああああすみませえええええええええんんn」
「ゴミ入れないでください」
「おおお館様ああああああごめんなさあああああいい!!」



私は川を渡るヌーも驚くほどの速さでゴミ箱を引き連れてその場から走り去った。
校舎に入っても後ろから追いかけられているような気がして全速力で走る。
3段抜かしぐらいで階段を駆け上がる。
教室のドアを勢いよく開け、ぴっちり締めて誰も追いかけてこないのを確認。

…よ、よかった…。


「…早かったね?」
「ひいっ!?」

「どっ、どうかしたの?」
「…な、なんだ…びっくりした…」
「何かあったの?」

「私見たんだよ、あの怪談の…銀色のさ●子を!!




「………何の話?」

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変換してから名前無いのに気づいた(笑)
全力で逃げそうですねって言われたので全速力で逃がしてみました。
明智光秀は都市伝説かなにかでいいよね、もう。
でもみっちゃんって織田夫婦以外にはそんなに変態じゃないと思うんだ。
あ、後説明で申し訳ありませんが、みっちゃんは委員会の焼却炉の火を見てる当番です。

リ●グを思い出すといつも「くる〜きっとくる〜♪」の曲を思い出すので
「きっとキミはこ〜な〜い〜♪」のフレーズを歌って自分をごまかします。
日本のホラーは異様に怖いよねって話。
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