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1.「ルビンシュタイン・テイビ症候群」という名前は?

症候群とは、原因は不明ですが顔つきとか手足の特徴など種々の症状を同じ組み合わせで持つ例が数多く見られた場合に一つの疾患として確立したものをいいます。Rubinstein-Taybi症候群(以下RTS)は、1963年にRubinstein(アメリカ人)とTaybi(イラン人)が共同で“Broad thumbs and toes and facial abnormalities(幅広い手足の親指と顔貌異常)”という題でこの特徴を持った子供たち7名を報告しました。その後、同じ特徴を持つ例が数例みられたため疾患として確立され、その最初の報告者の名前をとってRTSと名付けられました。従って、RTSの特徴は、幅広い足と手の親指、特異的な顔貌、低身長、精神発達遅滞です。
 

2.なぜ「ルビンシュタイン・テイビ症候群」になるの? どうやって診断するの?

非常に稀ですが、親とその子が共にRTSであるという報告が報告されたため常染色体優性遺伝疾患とされています。しかし、ほとんどの例で親族内に同じ疾患の人がいるということはありません。それはほとんどが突然変異で生まれてくるからです。突然変異は両親が精子や卵子を作るときにのみ精子と卵子の遺伝子に起こる変異ですので両親の身体の遺伝子には同じ変異は絶対に見つかりません。突然変異は非常に稀にしか起こりませんので両親の生殖細胞に同じRTSの変異が起こり再度RTSの子供を生むことは考えられませんし、実際に兄弟例の報告はありません。最近まで遺伝子については全く不明でしたが、1991年にRTSの責任遺伝子座の一つが染色体上の16p13.3であることが判明しました。その後、16p13.3部分の遺伝子解析によりCREB-binding protein(CREBBP)という遺伝子がRTSの原因遺伝子の一つであることが証明されました。このCREB遺伝子の異常によりRTSが起こったものと考えられます。しかし、実際に多くの例で遺伝子解析を行った結果、一対持っているCREB遺伝子の片方が欠失している例を見つけ得た頻度は9%にしかすぎず、1対の遺伝子に構造の異常がみつかった例も20%にしかみられませんでした。つまりこの遺伝子を原因とする例は1/3以下に過ぎず、それ以外は原因が異なるということですが、RTSであるという診断が変わることはありません。診断はあくまでも臨床症状によるべきで遺伝子診断は補足的な診断に過ぎず遺伝子異常の有無によりRTSか否かの判断をすべきではありません。

注:遺伝子解析検査について
症状はRTSに特徴的であっても遺伝子解析検査で異常がみつかる確率は30%以下です。遺伝子検査で異常が発見されれば確実にRTSと診断できますが、検査で異常がみつからなくても臨床症状が特徴的であればRTSと診断します。診断はあくまでも臨床症状が優先されますので現在のところ補助的な検査としかいえません。
遺伝子検査の異常の結果と臨床症状との相関はみられないため、検査結果で将来の発達の程度や合併症の有無などの推測はできません。検査の前に、この検査がどうして必要なのかを考え、主治医とよく話し合ってもらいたいと思います。検査する場合も、他の採血と一緒にするなどの配慮が必要。痛い思いをするのは子どもですので。


どのくらい生まれるの?

現在まで600例以上の文献での報告はみられていますが、正確な頻度は不明です。オランダでは125千人に1人といわれていますが、日本での頻度は不明です。男性に多いなどという男女の差異は見られません。

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