こすもす

はじめに

   平成6年秋に発足しました「こすもす(ルビンシュタイン・テイビ症候群児者親の会)」も、昨年度10周年を迎えました。これを記念して何か会員の皆様で共有できる物を作りたいと運営委員会で検討し、この「ルビンシュタイン・テイビ症候群 Q&A」という冊子を作ることを企画いたしました。

   ルビンシュタイン・テイビ症候群の子どもを育てていきますと、ミルクがうまく飲めない、離乳食が進まない、いろいろな合併症の治療や対処、頑固な便秘、言葉の問題、肥満傾向、学校選び、思春期の心の問題、将来の生活などなど、年齢に応じて様々な悩みが出てきます。

   医療上の問題については、今泉先生に執筆していただきました。

私たち運営委員は、子育てのそれぞれの時期の悩みを取りあげ、そのひとつひとつに対する答えを、経験の中から探してみました。それらはひとつのヒントだと考えていただければ幸いです。皆さんから寄せられた体験記の中にこそ多くのヒントが見つかるのではないかと思います。

顔が似ていてもひとりひとり違うように、性格も個性もみんな違います。子育てに正解はないでしょう。迷い悩みながら行きつ戻りつ進んでいくものなのかもしれません。

ルビンシュタイン・テイビ症候群の子どもたちは、ゆっくりゆっくり大きくなっていく子どもたちです。そんな歩みに合わせ、子どもの気持ちに寄り添っていけば、きっと小さな成長に喜びを感じられるのではないかと思います。

そして皆さんはひとりではありません。多くの仲間がいます。これからも喜びや悩みを共有しながら共に歩んでいきましょう。 

夏の交流会後に本格的に編集作業に取りかかりました。大きくなった子を持つ私たち委員も、今までの子育てを振り返り、経験を共有することによって、ルビンシュタイン・テイビ症候群の人たちの特徴をより把握し、理解を深めることができたのではないかと思います。その過程は大変意義深いものでありました。この編集に携われたことを感謝しております。

またこの冊子を、各地のルビンシュタイン・テイビ症候群児者にかかわって下さっている指導者・先生や医療・福祉関係者、これからお世話になる方々にもお読みいただくことで、ルビンシュタイン・テイビ症候群に対する理解を深めていただき、適切な支援を受けるための一助にしていただければありがたいと思っております。                                          会長


 刊行によせて                                   今泉 清

この冊子は、Rubinstein-Taybi症候群の子供さんをお持ちのご家族がお子様を育てていくためのこころの支えになるようにと作成されたものです。お子様がRubinstein-Taybi症候群であると診断された時に稀な疾患であるために医療上や教育・療育上の情報が得られないことや、相談する相手がいないなどの孤独感などで不安でいっぱいになられたことと思います。育児や将来への不安をすべて解消することはできませんが、この冊子に掲載されているさまざまな情報や家族からの生きたお便りに触れることで少しでも心が和らぎ、前向きに考えられるようになればと願っています。

 

親の会の役割                          長谷川知子

親の会の目的には三つの大きな柱があると考えます。一つめは、一番大事な“わが子が豊かな人生を送れるように”です。しかし、わが子だけを見ていては社会の壁が越えられません。そのため、二つめに“病気や障害をもった人々の社会環境の改善に向けて”をあげました。これにはまず、わが子から目を移し、会員のこども達すべてを受容し、さらに障害をもつすべての人が生活しやすいようにしていくための、さまざまな社会活動です。しかし、障害者は不幸だ、かわいそうだと思われていたり、いつまでも子ども扱いされていては人間の尊厳が失われてしまいます。でも、私たちはいわゆる健常者ですから、気がつかないことも多いのです。それで三つ目は“障害観の変革に向けて”としました。これは私たちすべての心に隠れている“偏見”をもう一度考えてみることかもしれません。さらに親の会には、“親の自立”に向けた活動をする役割もあると思います。子どもの自立はわかりますが、なぜ親に自立が必要なのでしょうか。まず、組織を運営するためには皆ができるだけ大人であることが必要です。少数の人だけが大人でも、ほかの多くの人達が子どもみたいに「あれやって」「やってくれない」と言ってばかりいては、会の健全な発展は望めないでしょう。また、「会に入りたくない、うちは家族だけで育てるからいいです」という人もいますが、放っておけるでしょうか。親ごさんはそれでも大丈夫でしょうが、子どもにとって閉ざされた環境は遅れや障害を招きます。人間は人と人の間と書くのですから。このような場合、急いで勧誘しては逆効果ですし、支援の仕方は一人ひとり違います。その家族にとってまず何がいちばん必要かを、関係する専門家と一緒に熟考し進めていくことは、容易ではありませんが、必要でしょう。そのためには、“全員がそれぞれの役割をもって”、でも、“無理せず自分のできることだけから始める”、といったやり方をしていけば、皆さんきっと、ご自身にすごい力があることに改めて驚かれることでしょう。これは親の自立にも自然につながることではないでしょうか。さらに、親がかなり自立していれば、子どもが自立するのが楽になるように思われます。


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