■桜吹雪


春の始まりを告げる桜は、それと同時に二人の日々の終わりさえ告げるようで、
どうしても好きにはなれない。
ただ、この煌びやかな風景に酔いしれ、春暁の喜びを謳歌する人々の群れに加わる。
風に吹かれて舞い散る桜。

ああ、そうか。
これは、あの人の花だ。


 
彼を愛しながら散っていった美しいあの人の──

 

彼は一つ、頭を振った。
俺には、守るべきものがあるではないかと。
彼女を守ることはできなかったが、せめてこいつだけは、と。
風に攫われて揺らぐ金色の髪に触れ、陽だまりの匂いを吸い込む。

 
この安らかな日々が、少しでも長く続くことを祈って──




Made by 白対黒

 晄助とのメールで生まれた極短編。
 辰ほた+歳世。一途な彼女が好きです。


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